Trap-TVは1993年4〜9月の毎週木曜日24:40〜25:10にフジテレビのみのローカルとして放送された深夜番組でした。
この番組では、ミステリ・ドラマを語り手が聞き手に毎回知的ゲームとして提示するというスタイルを取っています。進行役=ナビゲータとして、語り手に吹越満氏、聞き手に吉田朝氏がキャスティングされていました。また、ドラマは通常のような動画映像ではなく、敢えて写真=静止画を基本とした斬新なスタイルで行っていました。
番組の中には2重の謎解きがあります。1つは登場人物が仕掛ける犯行を隠すための手段=Trick、もう1つは語り手が聞き手に仕掛ける罠=Trapです。この後述のTrapこそが、従来のミステリにはなかった新しい形の謎解きなのです。
あらゆる視聴覚手段の中にTrapの伏線は潜んでいます。それはドラマの中だけでなく、ナビゲータたちがいる空間、更には番組のオープニングやエンディングにも巧妙に隠されているのです。このTrapに彩りを添えるのが写真の片隅に示されているパズルです。ナビゲータは謎を全て解説してくれるわけではなく、このパズルを解くことで初めてその全貌が明らかになる趣向です。番組冒頭では、ビデオに撮ることを前提にした番組であることを毎回明言していました。ビデオに撮り、再度内容を検討することで初めてその伏線、パズル、真相に気付くのです。
Trap-TVの魅力は、難解な謎の提示と、あっと言わせる結末の意外性、そして全てを納得させる十分な説明です。これらは繰返し観ても飽きが来ないくらい、内容が綿密でした。対象視聴者をマニアックなミステリ通に絞ることが許された当時の深夜番組だからこそできた賜物です。
謎解きの水準の高さで、この番組は至極のミステリ番組となりました。しかしその反面、マニアックな世界に入り込みすぎたがために、一般への浸透度はかなり低くなってしまいました。そもそも、この番組は関東ローカル且つ深夜放送であったため、放送開始前からベースとなる視聴者層は限られていたのです。
このころ深夜番組は全盛期で数多くのマニアックな名物番組が脚光を浴びてましたが、より一段とディープな内容のこの番組は、深夜族の視聴者の大多数にもそっぽを向かれてしまったのです。また、ビデオに録画しなければならないというスタイルも、その煩わしさから敬遠されてしまったのかもしれません。
そして最も致命的なのは、採算に見合わないことによりレンタルビデオ化が実現しなかったことです。これにより、新たなフリークの獲得が全くの不可能となってしましました。ビデオに撮ることが前提でありながら、そのビデオ化がなされない、何とも皮肉な結末です。
また更に、放送はまだインターネットが普及する直前の1993年。フリーク同士の連絡も満足に取れず、それぞれがスタンドアローンな状態でとどまっていました。
そして、そのまま忘却の彼方へ。
このHPは、そんな絶滅しかけたTrap-TVフリークへの発信を目的にしてます。
現在、ロボット検索で「Trap-TV」を探してみると、数は極めて少ないですが熱い想いを秘めている方は確実に存在しています。更に発信せずネットサーフィンだけの人(かつて私もそうでした)を含めればある程度のフリーク人口はあるはずです。このHPを観ることによって当時の記憶を思い起こし、様々な感想、議論が繰り広げられたらと考えました。
よりディープなフリークの方から、ご意見、ご感想頂ければ幸いです。
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